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将棋用語集

将棋のルールや戦法、詰将棋、棋戦の解説には、将棋特有の言い回しがたくさん出てきます。ここでは、このサイトの記事を読み進めるうえで知っておきたい言葉を、初心者の方にも分かるようにジャンル別にまとめました。分からない言葉が出てきたら、このページに戻って確認してみてください。

対局の基本用語

先手・後手(せんて・ごて)

対局で先に指す方を「先手」、後から指す方を「後手」と呼びます。記譜では先手の手を▲、後手の手を△で表します。

序盤・中盤・終盤(じょばん・ちゅうばん・しゅうばん)

対局の流れを大きく3つの段階に分けたときの呼び方です。飛車先・角道を突いたり囲いを組んだりして戦いの準備をする段階が「序盤」、駒組みを終えて実際に駒がぶつかり合う戦いが始まる段階が「中盤」、相手の玉を寄せて詰みに追い込んでいく段階が「終盤」です。

王手(おうて)

相手の玉将・王将を、次の一手で取れる状態にすることです。将棋は、王手をかけられたら必ずそれに対応しなければならず、対応できなくなった状態が「詰み」です。

空き王手(あきおうて)

ある駒を動かした結果、その駒の後ろに隠れていた別の駒(飛車・角行・香車など)の利きが相手玉に通り、王手になることです。動かした駒自体は玉に利いていなくても成立するのが特徴です。

両王手(りょうおうて)

1回の指し手で、2つの駒が同時に相手玉に王手をかけることです。片方の王手を防いでも、もう片方の王手が残ってしまうため、玉を動かす以外に受けがほぼ無いのが特徴です。

詰み・詰む(つみ・つむ)

王手をかけられた側が、どうやっても王手を防げない(玉を逃がせない・王手をかけている駒を取れない・他の駒で防げない)状態のことです。詰みになったら、そこで勝敗が決まります。

投了(とうりょう)

詰みが避けられないと判断した側が、負けを認めて対局を終えることです。実際の対局では、必ずしも最後まで駒を動かし続けるわけではなく、投了によって終局することが多くあります。

効き(きき)

ある駒が「動ける/取れる範囲」のことを「効き」と言います。「◯◯の効きがある」は「その駒がそのマスを攻撃できる位置関係にある」という意味です。

詰めろ(つめろ)

「次の一手で相手玉を詰ませられる」という脅しがかかっている状態のことです。何らかの手で受ければ詰みを防げる可能性がある点が、どう受けても防げない「必至」との違いです。

必至・必死(ひっし)

まだ王手はかかっていないものの、相手がどんな手を指しても、次の一手で確実に玉を詰ませられる状態のことです。詳しくは必至(必死)を覚えようで解説しています。

寄せ(よせ)

相手玉を安全な場所へ逃がさないよう、序盤・中盤から続く駒組みや攻め合いの中で、数手から十数手かけて追い込んでいく実戦的な「組み立て」の技術のことです。一手詰めや必至が今の局面を読み切るパズル的な技術であるのに対し、寄せはそこに至るまでの局面をどう作っていくかという、より幅の広い実戦的な技術だとされています。詳しくは寄せの基本を覚えようで解説しています。

捨て駒(すてごま)

寄せの過程で、駒をあえて相手に取らせる考え方です。目先の駒得・駒損だけを見ると損な手に見えても、相手の守り駒の働きを乱したり玉の逃げ場を狭めたりすることで、寄せ全体としては有効な一手になる場合があります。詳しくは寄せの基本を覚えようで解説しています。

千日手(せんにちて)

盤上の駒の配置・手番・持ち駒の状態まで含めてまったく同じ局面が対局中に4回現れると成立し、その対局は指し直しになります。詳しくは千日手・持将棋・持ち時間を覚えようで解説しています。

持将棋(じしょうぎ)

双方の玉が入玉(相手陣地に入り込むこと)し、指し手による決着が困難になった対局を、点数計算によって決着させる仕組みです。詳しくは千日手・持将棋・持ち時間を覚えようで解説しています。

入玉(にゅうぎょく)

終盤で、双方の玉が相手陣地(敵陣)の中に入り込み、簡単には詰まされない状態になることです。入玉が絡む対局は、持将棋(点数計算による決着)につながることがあります。詳しくは千日手・持将棋・持ち時間を覚えようで解説しています。

27点法・トライルール(にじゅうななてんほう・トライルール)

入玉によって指し手だけでは決着がつきにくくなった対局を、点数や到達位置といった別の基準で終わらせるための考え方です。「27点法」は、持将棋(じしょうぎ)の成立を判定する点数計算の一つで、大駒5点・小駒1点として双方の持ち点を数え、規定の点数に届いているかどうかで判定します(具体的な基準点や運用は大会によって異なります)。「トライルール」は、アマチュアの一部の大会などで使われる簡易ルールで、玉が相手陣の特定のマス(多くは相手玉の初期位置)まで進んだ時点で、点数計算を待たずにその対局者の勝ちとするものです。詳しくは千日手・持将棋・持ち時間を覚えようで解説しています。

持ち時間(もちじかん)

対局を始める前に、それぞれの対局者が使える考慮時間としてあらかじめ決められているものです。持ち時間は棋戦や対局の形式によって大きく異なります。詳しくは千日手・持将棋・持ち時間を覚えようで解説しています。

秒読み(びょうよみ)

持ち時間を使い切った後に入る、1手ごとに決められた秒数以内に指さなければならない時間のことです。秒読み中に時間切れになると、その対局者の負け(時間切れ負け)になります。詳しくは千日手・持将棋・持ち時間を覚えようで解説しています。

反則負け(はんそくまけ)

対局中に指してはいけない手(二歩・行き所のない駒・打ち歩詰めなど)を指してしまうと、その時点で対局が終了し、反則をした側の負けとなることです。詳しくは反則負け(禁じ手)を覚えようで解説しています。

駒得・駒損(こまどく・こまぞん)

駒がぶつかったとき、価値の低い駒で価値の高い駒を取れれば「駒得」、逆に価値の高い駒を取られてしまうと「駒損」です。詳しくは駒の価値と序盤の考え方で解説しています。

手得・手損(てとく・てそん)

相手よりも少ない手数で同じ状態を作れることを「手得」、逆に相手よりも多くの手数をかけてしまうことを「手損」と言います。一般には手損しない側が有利とされますが、一手損角換わりのように、あえて手損することと引き換えに別の利点を狙う指し方もあります。

待った

一度盤上に指した手を取り消して、指し直すことです。反則ではなくマナーの問題として扱われることが多く、断りなく待ったを求めることは強く避けるべきとされています。詳しくは対局のマナーを覚えようで解説しています。

感想戦(かんそうせん)

対局が終わった後、両者が一緒に盤を並べ直し、指し手を振り返ることです。上達のための貴重な機会として大切にされています。詳しくは対局のマナーを覚えようで解説しています。

駒に関する用語

持ち駒(もちごま)・打つ(うつ)

対局中に相手から取った駒は、自分の「持ち駒」になります。持ち駒は盤の外(自分の手元)に置かれ、自分の手番のときに盤上の好きな空いているマスに置くことができ、これを「打つ」と言います。すでに盤上にある駒を動かすのとは区別して使われる言葉です。

成り(なり)・と金(ときん)

自分から見て相手陣地の3段(敵陣)に駒が入る、またはそこから動く場合、駒を裏返して「成り」、より強い動きができるようになります(王将・玉将、金将は成れません)。例えば歩兵が成ると「と金」になり、金将と同じ動きができるようになります。

不成(ならず)

成る条件を満たしていても、あえて成らずにそのまま指すことです。香車や桂馬は、成ると金将と同じ動きになり、香車の縦に長く利く動きや桂馬の跳ねる動きは失われるため、元の動きを生かしたい局面では不成が選ばれることがあります。ただし、成らないとその後1マスも動けなくなってしまう位置(最終段の歩・香、最終段と2段目の桂馬など)では不成を選ぶことはできず、必ず成らなければなりません。棋譜では、成れる場面であえて成らなかったことを示すために「不成」と書きます。詳しくは棋譜の読み方(記譜法)を覚えようで解説しています。

玉将・王将(ぎょくしょう・おうしょう)

どちらも「王」を表す同じ働きの駒で、動き方に違いはありません。対局では、格上の対局者や先に指す側が「王将(王)」、もう一方が「玉将(玉)」を使う慣習があります。詰将棋の問題では、詰まされる側の王を「玉」と表記することが一般的です。

大駒(おおごま)

飛車と角行の2種類の駒をまとめて指す言葉です。成る前から盤上を長く動ける、価値の高い駒であることから、他の駒と区別してこう呼ばれます。持将棋の成立を判定する27点法でも、大駒は1枚5点として数えられます。

小駒(こごま)

飛車・角行(大駒)を除いた、金将・銀将・桂馬・香車・歩兵の5種類の駒をまとめて指す言葉です。王将・玉将は、通常はこの分類には含めません。

二歩(にふ)

同じ縦の列に、成っていない自分の歩兵を2枚以上置くことです。反則負けになります。詳しくは将棋の基本ルールを覚えようで解説しています。

行き所のない駒

それ以上動けなくなる位置(最終段の歩・香、最終段と2段目の桂馬など)に駒を打つ・進めることです。反則負けになります。詳しくは将棋の基本ルールを覚えようで解説しています。

打ち歩詰め(うちふづめ)

持ち駒の歩を打って相手の玉を詰ませることです。反則負けになります(盤上の歩を動かして詰ませるのは反則ではありません)。詳しくは将棋の基本ルールを覚えようで解説しています。

盤面の読み方

筋・段(何筋何段)

将棋盤のマスは「◯筋◯段」で表します。横方向を「筋」といい、右から1〜9の数字で数えます。縦方向を「段」といい、上から一〜九の漢数字で数えます。例えば「9二」は、右から9列目・上から2段目のマスを指します。「▲9二金」であれば「先手(▲)が9二のマスに金を打った(動かした)」という意味になります。

戦法・囲いの用語

囲い(かこい)

王将・玉将を安全な場所に移動させ、周りを金将・銀将などで固めた陣形のことです。舟囲い・美濃囲い・矢倉・穴熊などが代表的な囲いです。詳しくは囲いの基本を覚えようで解説しています。

居飛車・振り飛車(いびしゃ・ふりびしゃ)

飛車を初期位置のまま動かさずに戦う戦法を「居飛車」、飛車を左右に動かして戦う戦法を「振り飛車」と言います。どちらを選ぶかによって、組む囲いや戦い方の考え方が大きく変わります。詳しくは居飛車と振り飛車の違いを覚えようで解説しています。

急戦・持久戦(きゅうせん・じきゅうせん)

序盤の方針を大きく2つに分けたときの呼び方です。相手の駒組みが十分に整う前に、早い段階で仕掛けていく方針を「急戦」、逆にじっくりと囲いを固めてから戦いを起こす方針を「持久戦」と言います。詳しくは超速(対ゴキゲン中飛車)の基本を覚えようで解説しています。

定跡(じょうせき)

長年の研究によって「良い指し方」として定まっている、序盤の決まった手順のことです。囲碁の「定石」と区別して、将棋では「定跡」と書きます。

矢倉(やぐら)

居飛車の代表的な戦型の一つで、飛車を動かさず、王を8八(後手なら2二)付近に固める「矢倉」という囲いを組んでから戦いを起こす指し方です。詳しくは矢倉の基本を覚えようで解説しています。

四間飛車(しけんびしゃ)

振り飛車の一種で、飛車を初期位置から4筋に動かして戦う指し方です。振り飛車の中でも特にオーソドックスな形とされ、多くの入門書で最初に紹介される戦法です。詳しくは四間飛車の基本を覚えようで解説しています。

中飛車(なかびしゃ)

振り飛車の一種で、飛車を初期位置から中央の5筋に動かして戦う指し方です。詳しくは中飛車の基本を覚えようで解説しています。

三間飛車(さんけんびしゃ)

振り飛車の一種で、飛車を初期位置から3筋に動かして戦う指し方です。詳しくは三間飛車の基本を覚えようで解説しています。

石田流(いしだりゅう)

三間飛車のサブ戦型の一つで、飛車と歩を前線に進めた特徴的な陣形を作り、早い段階から攻めの形を整えやすいとされています。名前は、この指し方を得意としたと言われる棋士「石田検校」に由来するとされています。詳しくは石田流の基本を覚えようで解説しています。

捌く(さばく)

主に振り飛車で使われる表現で、窮屈になりがちな飛車や角を、駒交換や好位置への転換によって軽快に働かせることです。「飛車を捌く」「駒をさばく」のように使われ、振り飛車側の攻めの重要な狙いの一つとされています。

厚み(あつみ)

飛車・角・銀など複数の駒が連携して働くことで生まれる、攻めの強さや迫力を表す表現です。「攻めの厚みを作る」のように使われ、1枚の駒の価値だけでなく、駒同士の連携による総合的な働きの強さを表すときに用いられます。

角換わり(かくがわり)

居飛車同士の対局でよく見られる戦型の一つで、序盤の早い段階でお互いの角行を交換し合うことが最大の特徴です。詳しくは角換わりの基本を覚えようで解説しています。

一手損角換わり(いってそんかくがわり)

角換わりの派生形の一つで、後手側があえて早い段階で自分から角交換を仕掛けることで生まれる戦型です。手番のやり取りの上で後手が一手損する形になりますが、先攻しやすくなるなどの利点と引き換えにこの指し方が選ばれると言われています。詳しくは一手損角換わりの基本を覚えようで解説しています。

相掛かり(あいがかり)

居飛車同士の対局でよく見られる戦型の一つで、お互いに飛車先の歩を早い段階から進め合い、ぶつけて交換し合うことが特徴です。詳しくは相掛かりの基本を覚えようで解説しています。

棒銀(ぼうぎん)

居飛車でよく使われる攻めの技術で、銀将を飛車がいる筋に沿ってまっすぐ前に進め、飛車・歩と連携させて攻めかかります。矢倉や四間飛車のような戦型そのものの選択ではなく、居飛車を中心にさまざまな戦型・局面で使われる攻めの技術の一つとされています。詳しくは棒銀の基本を覚えようで解説しています。

美濃囲い(みのがこい)

王を2八、銀を3八、金の1枚を5八に配置した形の囲いで、横からの攻めに強く、振り飛車党の定番の囲いとされています。詳しくは美濃囲いの基本を覚えようで解説しています。

穴熊(あなぐま)

王を盤の隅(9九など)まで移動させ、銀や金でしっかりと蓋をする、非常に堅い囲いです。完成までに手数がかかりますが、組み上がると横や上からの攻めに極めて強くなります。詳しくは穴熊の基本を覚えようで解説しています。

居飛車穴熊(いびしゃあなぐま)

居飛車側が振り飛車を相手にするときに組む穴熊のことです。序盤で飛車を動かさずに済む居飛車側は、そのぶんの手数を囲いに充てやすく、振り飛車側が組む振り飛車穴熊よりも実戦で現れる頻度が高いとされています。詳しくは居飛車穴熊の基本を覚えようで解説しています。

コビン

囲いの急所の一つで、玉のすぐ斜め脇、銀の斜め前方にあたる地点のことです。美濃囲いでは端と並ぶ二大急所として知られ、銀1枚だけで支えている場合が多く、角や桂馬でここに利きを作られると玉に直接迫られやすくなります。詳しくは美濃崩しの手筋を覚えようで解説しています。

相振り飛車(あいふりびしゃ)

先手・後手の双方が振り飛車を選んだときに生まれる展開のことです。居飛車と振り飛車がぶつかる対抗形とは異なり、双方が似た陣形になりやすく、終盤の速度計算(スピード勝負)が重要になりやすいと言われています。詳しくは相振り飛車の基本を覚えようで解説しています。

手筋の用語

手筋(てすじ)

実戦の中盤・終盤で駒を効果的に働かせるための、よく知られたテクニックの総称です。十字飛車・両取り・たたきの歩など、特定の局面で使える実戦的な技が数多く知られています。詳しくは基本手筋を覚えようで解説しています。

十字飛車(じゅうじひしゃ)

飛車の縦の利きと横の利きを使って、相手の2つの駒(または駒と玉)を同時に狙う手筋です。飛車の利きが十字の形になることからこう呼ばれます。両取りなど、他の実戦的な手筋については基本手筋を覚えようもご覧ください。

割り打ちの銀(わりうちのぎん)

相手の2つの駒の間(または隣り合う2マス)に銀を打ち込み、次にどちらかの駒を取ることを狙う手筋です。両取りの一種で、銀は斜め前後にも利く駒のため、隣り合う斜めのマスにいる2つの駒を同時に狙いやすいのが特徴です。他の実戦的な手筋については基本手筋を覚えようもご覧ください。

二枚替え(にまいがえ)

自分の駒を1枚失う代わりに、相手の駒を2枚取ることです。駒の点数の合計だけでなく、働く駒の枚数が増えることから、一般的に得な交換とされています。

継ぎ歩(つぎふ)

歩を相手に取らせたあと、すぐにもう1枚の歩を同じマスに打って、再度取らせる(または取らせずに済ませる)ことで、相手の駒の働きを乱したり、駒を余分に使わせたりする手筋です。他の実戦的な手筋については基本手筋を覚えようもご覧ください。

垂れ歩(たれふ)

相手陣のすぐ手前(成れるマスの1つ手前)に歩を打つことです。次に一歩進めば成れる状態を作り、相手に受けを迫る手筋です。

たたきの歩(たたきのふ)

相手の駒がいるマスに歩を進めたり打ったりして、相手に応手を強要する手筋です。取っても取らなくても相手にとって望ましくない状況を作り出し、取らせることで相手の駒の配置を乱すことを狙います。詳しくは基本手筋を覚えようで解説しています。

焦点の歩(しょうてんのふ)

相手の複数の駒がまとめて利いている1マスに、あえて歩を打つ手筋です。どの駒で取り返しても、その駒が本来の持ち場を離れることになり、相手の守りを乱すことができます。詳しくは基本手筋を覚えようで解説しています。

桂頭の歩(けいとうのふ)

桂馬は横に1マス動いて避けたり後ろに引いてかわしたりすることができない駒です。この弱点を突いて、桂馬の真正面のマス(桂頭)に歩を進め、逃げ場のない桂馬を攻める手筋です。詳しくは基本手筋を覚えようで解説しています。

両取り(りょうどり)

1回の指し手で相手の2つの駒に同時に利きをかける手筋です。相手はどちらか一方しか守れないため、次の一手でもう一方を確実に取ることができます。詳しくは基本手筋を覚えようで解説しています。

王手飛車取り(おうてひしゃどり)

両取りの中でも特に強力な形で、1回の指し手で王手をかけながら、同時に相手の飛車にも利きをかける手筋です。王手を放置できないというルールを利用しているため、飛車はほぼ確実に取られてしまいます。詳しくは基本手筋を覚えようで解説しています。

詰将棋の用語

頭金(あたまきん)

相手の玉の真正面(一つ前のマス)に金を打って詰ませる、詰将棋でもっとも基本的な形の一つです。「頭に金を乗せる」形からこう呼ばれます。

中合い(ちゅうあい)

飛車・角行・香車など、離れた位置から王手をかけられたときに、玉との間の途中のマスへ駒を打って受ける手筋です。王手を防ぐと同時に、玉を直接動かすよりも手数を稼げる場合や、打った駒を相手に取らせることで一手分の時間を作れる場合に用いられます。

余詰め(よづめ)

詰将棋の問題として本来1つしかないはずの正解が、実は他の手でも詰んでしまう状態のことです。詰将棋の作品としては欠陥とされ、避けるべきものとされています。

清涼詰め(せいりょうづめ)

詰め上がったときに、攻めている側(先手)の駒がちょうど2枚だけになる詰将棋のことです。駒数が少なく、無駄のないすっきりした詰め上がりが好まれることから、このように呼ばれます。

棋戦・タイトルの用語

名人(めいじん)

将棋界でもっとも歴史のある地位・タイトルの一つです。江戸時代は家柄によって受け継がれる世襲制でしたが、1935年以降は実力によって決まる「実力制名人」に移行しました。

順位戦(じゅんいせん)

名人への挑戦者を決めるための棋戦です。棋士はA級・B級1組・B級2組・C級1組・C級2組の5つのクラスに分かれて1年間対局を重ね、成績によってクラス間の昇級・降級があります。最上位のA級で1位になった棋士(同星の場合はプレーオフの勝者)が、その年の名人への挑戦権を得ます。詳しくはプロ棋戦のしくみ(順位戦・フリークラス制度)で解説しています。

タイトル・番勝負(ばんしょうぶ)

「タイトル」は、竜王・名人など将棋界で特に格の高いとされる棋戦の勝者に贈られる称号です。1年に1期、挑戦者を決めるトーナメントを経て、保持者と挑戦者が複数局を戦う「番勝負」で次の保持者が決まります。詳しくは将棋の8大タイトル一覧で解説しています。

竜王戦(りゅうおうせん)

8大タイトルの一つで、8大タイトルの序列(格付けの順番)では最上位に位置づけられることが多い棋戦です。前身は1950年に創設された十段戦で、1988年に「竜王戦」としてタイトル戦がスタートしました。挑戦者を決めるトーナメントに、プロ棋士だけでなくアマチュアや女流棋士も参加できる特別な枠が設けられているのが特徴です。詳しくは将棋の8大タイトル一覧で解説しています。

名人戦(めいじんせん)

名人位を懸けて行われるタイトル戦です。前年度の名人と、順位戦のA級を制した棋士(挑戦者)が七番勝負を戦い、勝ち越した方がその年の名人となります。江戸時代から続く「名人」という地位の歴史を受け継ぐ棋戦として、竜王戦と並ぶ伝統あるタイトル戦の一つとされています。詳しくは将棋の8大タイトル一覧で解説しています。

王将戦(おうしょうせん)

8大タイトルの一つで、七番勝負で行われます。1951年に創設された、竜王戦・名人戦と並んで歴史の長いタイトル戦の一つです。対局は例年1月から3月ごろにかけて行われ、将棋界の1年(4月始まり)の締めくくりに決着するタイトル戦として位置づけられています。詳しくは将棋の8大タイトル一覧で解説しています。

棋王戦(きおうせん)

8大タイトルの一つで、五番勝負で行われます。1975年に創設された棋戦で、共同通信社に加盟する全国の新聞社が共同で主催していることで知られています。詳しくは将棋の8大タイトル一覧で解説しています。

王位戦(おういせん)

8大タイトルの一つで、七番勝負で行われます。1960年に創設された棋戦で、北海道新聞・中日新聞・西日本新聞による「新聞三社連合」が主催していることで知られています。詳しくは将棋の8大タイトル一覧で解説しています。

王座戦(おうざせん)

8大タイトルの一つで、五番勝負で行われます。1953年に創設され、1983年からタイトル戦となりました。他の多くのタイトル戦が4月始まりの「将棋界の1年」を基準に番勝負を行うのに対し、王座戦は1月始まりの暦年を基準に行われる点が特徴です。詳しくは将棋の8大タイトル一覧で解説しています。

叡王戦(えいおうせん)

8大タイトルの一つで、五番勝負で行われます。コンピュータ将棋との対局企画「電王戦」の流れをくむ棋戦として2015年に創設され、2017年からタイトル戦となりました。8大タイトルの中ではもっとも新しく加わったタイトルです。詳しくは将棋の8大タイトル一覧で解説しています。電王戦がどのような経緯をたどったかは電王戦の歴史で紹介しています。

棋聖戦(きせいせん)

8大タイトルの一つで、五番勝負で行われます。1962年に創設された、8大タイトルの中でも歴史の長い棋戦の一つで、産経新聞社が主催しています。2025年には優勝賞金が4000万円に増額され、特別賞(1000万円)を含めた事実上の総額が8大タイトル中最高額となりました。詳しくは将棋の8大タイトル一覧で解説しています。

七冠独占(ななかんどくせん)

将棋のタイトル(現在は8つ)のうち、7つを同一の棋士が同時に保持している状態のことです。1996年、羽生善治が当時存在した全7タイトルを制覇し、史上初めて達成しました。詳しくは名棋士列伝で解説しています。

八冠独占(はちかんどくせん)

将棋の8大タイトルすべてを、同一の棋士が同時に保持している状態のことです。2023年10月11日、藤井聡太が王座を奪取し、21歳2ヶ月で史上初めて達成しました。詳しくは名棋士列伝で解説しています。

永世称号(えいせいしょうごう)

各タイトルで既定の期数・回数を保持するなどの条件を満たした棋士に贈られる称号(永世名人、永世竜王など)です。原則として引退後に名乗ることができます。

棋士・棋風(きし・きふう)

「棋士」はプロの将棋の指し手のことです。「棋風」はその棋士が得意とする指し方の傾向・スタイルを指します。

観戦・中継の用語

封じ手(ふうじて)

2日制の対局(一部のタイトル戦など)で、1日目の対局が終了する時点の手番の対局者が、次の一手をあらかじめ紙に書いて封筒に入れ、封印する制度です。2日目の対局再開時に、立会人の立ち会いのもとで封を開け、その手から指し継ぎます。なぜこの仕組みがあるのか、2日制の対局全体の流れは二日制タイトル戦のしくみ(封じ手・夕食休憩)を覚えようで詳しく解説しています。

AI評価値・形勢判断(エーアイひょうかち・けいせいはんだん)

将棋AI(将棋ソフト)が、現在の局面がどちらにとってどれくらい有利かを数値で示したものです。多くは先手・後手いずれかが何%優勢かという形やポイント差で表され、対局のネット中継では画面に評価値のグラフが表示されることが多くあります。プロ棋士の感覚による形勢判断と必ずしも一致するとは限らず、あくまで参考の一つとして扱われます。詳しくはAI評価値・形勢判断の読み方を覚えようで解説しています。将棋AIがこれほど注目される存在になった歴史的な経緯は電王戦の歴史で紹介しています。

観る将(みるしょう)

自分ではあまり対局を指さず、プロやアマチュアの対局を観戦することを主な楽しみ方にしているファン層を指す俗語です。厳密な定義があるわけではありませんが、AIの評価値グラフを見ながらネット中継を楽しむ人たちを指してこう呼ばれることがあります。詳しくはAI評価値・形勢判断の読み方を覚えようでも触れています。評価値表示が将棋文化に根づくきっかけとなった歴史は電王戦の歴史で紹介しています。

指す将(さすしょう)

「観る将」と対になる俗語で、自分でも対局を指すことを主な楽しみ方にしているファン層を指してこう呼ばれることがあります。明確に線引きできる区分ではなく、観戦も対局も両方楽しむ人も多くいます。

好手(こうしゅ)

対局の中で、局面を大きく好転させたり、相手の意表を突いたりする、特に優れた一手のことです。感想戦やAIによる検討、観戦記などで、印象的な一手を指して使われる言葉です。

悪手(あくしゅ)

形勢を明らかに悪化させてしまう、良くない一手のことです。疑問手よりも損失が大きく、勝敗に直結しかねない一手を指して使われることが多い言葉です。

疑問手(ぎもんしゅ)

悪手ほど致命的ではないものの、他により良い手があったと考えられる、疑問が残る一手のことです。感想戦やAIによる検討で、より良い候補手と比較されて指摘されることが多い言葉です。

敗着(はいちゃく)

その一手によって形勢が決定的に悪化し、以後どのように指しても挽回できなくなった、いわば負けを決定づけた一手のことです。対局後の感想戦や、AIによる解析によって特定されることが多い言葉です。

大局観(たいきょくかん)

局所的な駒の損得や読みの深さだけでなく、盤面全体・対局の流れを俯瞰して方針を判断する棋力・視点のことです。「大局観に優れる」のように使われ、細かい読みだけでは測れない、経験に裏打ちされた総合的な判断力を指す言葉です。

段位・アマチュア将棋の用語

段位・級位(だんい・きゅうい)

アマチュア・プロ双方に共通する、将棋の実力を段階的に示す指標です。初心者はまず「級」から始まり、数字が小さくなるほど上位になります(例: 15級→1級)。1級の次は「段」に切り替わり、初段からは数字が大きいほど上位になります(初段→二段→三段…)。プロ棋士の段位とアマチュアの段位は、それぞれ別の基準で認定される独立した仕組みです。詳しくは段位・級位制度を覚えようで解説しています。

手合い(てあい)

対局の相手や条件(平手か駒落ちかなど)を指す言葉です。実力差のある対局者同士では、上位者が飛車や角などのハンデを付けることがあり、その具体的な条件は「手合割(てあいわり)」と呼ばれます。詳しくは駒落ちの基本を覚えようで解説しています。

駒落ち(こまおち)

実力に差がある2人が対局するとき、実力が上の側があらかじめ自分の駒を何枚か盤上から取り除いてハンディキャップをつける対局形式です。段位・級位が離れた相手とも対等に近い勝負を楽しめるようにするための仕組みで、除く駒の種類・枚数によって香落ち・角落ち・飛車落ちなど複数の「手合割」があります。詳しくは駒落ちの基本を覚えようで解説しています。

上手(うわて)

駒落ちの対局で、駒を落とさない側(実力が上の側)を指す言葉です。対義語は「下手(したて)」です。詳しくは駒落ちの基本を覚えようで解説しています。

下手(したて)

駒落ちの対局で、駒を落とされる側(実力が下の側)を指す言葉です。対義語は「上手(うわて)」で、駒落ちでは下手が先に指し始めるのが基本とされています。詳しくは駒落ちの基本を覚えようで解説しています。

奨励会(しょうれいかい)

プロ棋士を目指す人が所属する、日本将棋連盟の育成機関です。級から昇級を重ねて三段になり、三段リーグと呼ばれる対局で上位の成績を収めると、四段(プロ棋士)に昇段します。詳しくは奨励会のしくみ(級・段と三段リーグ)を覚えようで解説しています。

免状(めんじょう)

日本将棋連盟が発行する、公式な段位・級位の認定証です。将棋ウォーズなどオンライン対局サービスの段位表示とは別の、正式な段位認定の仕組みです。詳しくは段位・級位制度を覚えようや免状(段位認定証)の取得方法を覚えようで解説しています。

支部(しぶ)

日本将棋連盟に登録された、全国各地のアマチュア向けの将棋クラブ・教室のことです。将棋大会への参加や段位・級位の認定など、地域でのアマチュア将棋活動に関わっています。

レーティング

将棋ウォーズや81道場など、オンライン対局サービスで使われる、対局の勝敗によって上下する数値による棋力の指標です。日本将棋連盟が発行する正式な段位・級位(免状)とは別の仕組みとして運用されています。詳しくは段位・級位制度を覚えようで解説しています。

より実践的な内容はルール・戦法、詰将棋、歴史の各ページであわせてご覧ください。
用語を覚えられたか確認したい方は将棋用語クイズで復習してみましょう。
「二歩とは」「待ったは反則?」のような素朴な疑問は、よくある質問(FAQ)でQ&A形式にまとめています。
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