矢倉の基本を覚えよう
居飛車と振り飛車の違いを覚えたら、次は居飛車の代表的な戦型の一つ「矢倉(やぐら)」を見てみましょう。「玉将」「持ち駒」など聞き慣れない言葉が出てきたら将棋用語集もあわせてご覧ください。
矢倉とは
矢倉は、居飛車の代表的な戦型の一つで、飛車を初期位置から動かさず、王を8八(後手なら2二)付近に固める「矢倉」という囲いを組んでから戦いを起こす指し方です。囲いそのものの組み方(駒をどの順番でどこに動かすか)は囲いの基本を覚えよう(矢倉)で手順つきに紹介していますので、まだの方はそちらもあわせてご覧ください。この記事では、矢倉が将棋の戦型全体の中でどのような位置づけにあるかを中心に解説します。
相矢倉(あいやぐら)になりやすい理由
矢倉は居飛車同士の戦型であるため、先手・後手の双方が矢倉を目指すと、両者がそれぞれ矢倉の囲いを組み上げてから戦う展開になりやすいと言われています。これは「相矢倉(あいやぐら)」と呼ばれ、矢倉という戦型を語るうえでよく取り上げられる特徴です。ただし、必ず相矢倉になるわけではなく、途中で片方が別の囲いや戦型に切り替えることもあり、あくまで「そうなることが多い」という一般的な傾向として捉えておくとよいでしょう。
長い研究の歴史を持つ戦型
矢倉は、将棋の数ある戦型の中でも特に長い研究の歴史を持つ戦型の一つとされています。プロ棋士の対局でも長年にわたって数多く指されてきたこともあり、序盤の駒組みから中盤の攻防に至るまで、非常に多くの定跡が積み重ねられてきました。「矢倉は将棋の純文学」と呼ばれることがあるのも、こうした研究の厚みを表した言い方だと言われています。
四間飛車との違い
矢倉は居飛車の戦型であるのに対し、四間飛車は振り飛車の戦型であるという系統の違いがまずあります。さらによく指摘されるのが、序盤の進め方の性質の違いです。四間飛車は「飛車を振って、囲いを組んで、それから戦う」という比較的わかりやすい方針で進めやすいのに対し、矢倉は序盤の駒組みの段階から手順の細かい違いが局面の優劣に影響しやすく、より正確な手順の知識が必要になりやすいと言われることが多い戦型です。
もっとも、これはあくまで一般的に言われる傾向であり、「矢倉の方が必ず難しい」と単純に決めつけられるものではありません。振り飛車にも振り飛車ならではの深い研究がありますし、矢倉であっても大きな方針をつかむだけであれば決して難しすぎることはありません。まずはそれぞれの戦型の考え方の違いを知ることから始めるとよいでしょう。
矢倉の中にある攻め方いろいろ
矢倉という戦型の中には、棒銀や右四間飛車など、名前のついた攻め方(サブ戦型)がいくつも存在します。これらは具体的な手順を伴う専門的な内容になるため、この記事では名前の紹介にとどめますが、矢倉には「どちらの陣形をどう攻めるか」という奥深いテーマがまだまだ広がっていることだけ知っておくとよいでしょう。