千日手・持将棋・持ち時間を覚えよう
実際に対局していると、二歩や打ち歩詰めのような反則(禁じ手)とは別に、「これは千日手では?」「時間切れって何?」など、対局の進行や終わり方に関わる疑問に一度は出会います。この記事では、そうした基本ルールのうち「千日手」「持将棋・入玉」「持ち時間・秒読み」の3つを解説します。
千日手とは
将棋では、盤上の駒の配置だけでなく、手番(どちらが指す番か)や双方の持ち駒の状態まで含めて、まったく同じ局面が対局中に4回現れると「千日手(せんにちて)」が成立します。千日手が成立すると、その対局は指し直しになります。勝敗がつかないまま、あらためて最初から指し直す扱いになる、というのが基本の仕組みです。
公式戦などでは、指し直しの際に先手・後手を入れ替えて対局し直すことが一般的です。ただし、指し直しの具体的な運用(先後の入れ替えの有無や持ち時間の扱いなど)は、棋戦や大会の規定によって異なります。
連続王手の千日手という特別ルール
千日手には、一つだけ重要な例外があります。同一局面が繰り返される間、片方の対局者がずっと相手の玉に王手をかけ続けていた場合(「連続王手の千日手」)、単純な指し直しにはなりません。この場合は、王手をかけ続けていた側の反則負けになります。
これは、王手を連続してかけ続けるだけで一方的に千日手による指し直しへ持ち込める、といった不公平な状況を防ぐための特別ルールです。玉を実際に詰ませられない場面でも、王手を延々とかけ続けることは避けるべきだと覚えておきましょう。
このように王手→玉が逃げる→追って王手…という展開が繰り返され、同一局面が4回現れると千日手が成立します。この例では、その間ずっと先手が王手をかけ続けているため、単純な指し直しにはならず「連続王手の千日手」となり、王手をかけ続けていた先手の反則負けになります。
持将棋・入玉とは
終盤で、双方の玉が相手陣地(敵陣)の中に入り込み、簡単には詰まされない状態になることを「入玉(にゅうぎょく)」と呼びます。両者の玉が入玉すると、玉を捕まえるのが非常に難しくなり、対局がなかなか終わらなくなることがあります。
このように双方が入玉し、指し手による決着が困難になった対局を、点数計算によって決着させる仕組みが「持将棋(じしょうぎ)」です。
点数計算の基本
持将棋になった場合、それぞれの対局者は、盤上にある自分の駒と持ち駒を合わせて点数を数えます。駒の種類ごとの点数の数え方は、次の通りです。
| 駒の種類 | 点数 |
|---|---|
| 飛車・角行(大駒) | 5点 |
| 金将・銀将・桂馬・香車・歩兵など(小駒) | 1点 |
| 王将・玉将 | 数えない(0点) |
飛車・角行のような「大駒」は5点、それ以外の「小駒」は1点として数え、王将・玉将は点数に含めない、というのが広く知られている基本の考え方です。
持ち時間と秒読み
対局を始める前には、それぞれの対局者が使える考慮時間として「持ち時間」があらかじめ決められています。持ち時間は棋戦や対局の形式によって大きく異なり、例えばテレビ放送されるNHK杯将棋トーナメントのように短い持ち時間で1日のうちに対局が終わる形式もあれば、名人戦などのタイトル戦のように長い持ち時間が設定され、対局が2日間に及ぶ形式もあります。
持ち時間を使い切ると「秒読み(びょうよみ)」に入ります。秒読みでは、1手ごとに決められた秒数以内に指さなければならず、時間切れになると、その対局者の負け(時間切れ負け)になります。対局時計(将棋クロック)を使って、双方の持ち時間や秒読みの残り秒数を計測しながら対局を進めるのが一般的です。
対局時計を使って本格的に対局してみたい方へ
持ち時間や秒読みを意識した対局に慣れるには、実際に対局時計(将棋クロック)を使ってみるのがおすすめです。友人との対局や自主練習でも、時間を計ることで実戦的な感覚が身につきます。
Amazonで探す →