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名棋士列伝

将棋の歴史は、それぞれの時代を圧倒的な力で支配した棋士たちの歴史でもあります。ここでは各時代を代表する9人を紹介します。数字は執筆時点で確認できた記録で、現役棋士については今後さらに更新される可能性があります。

木村義雄(十四世名人)

1905年生まれ、1986年没。1937年に始まった実力制名人戦の名人リーグ戦を13勝2敗で制し、1938年2月に実力制第一号(初代)名人に就位しました。名人位は通算8期保持しましたが、1952年に大山康晴に敗れて失冠。「勝ち将棋を勝て」を信条とし、「常勝将軍」と呼ばれました。

大山康晴(十五世名人)

昭和の将棋界に「大山時代」を築いた不世出の棋士。公式タイトル獲得は通算80期(名人位は通算18期)、公式戦通算1433勝という、いずれも歴代2位の記録を残しました。晩年まで第一線で指し続け、体調を崩し入院中でもタイトル戦に出場したという逸話でも知られています。

升田幸三(実力制第四代名人)

大山康晴のライバルとして、その独走を止めた棋士。1957年には名人・王将・九段(当時、後の十段=現在の竜王の前身)の三冠を同時に保持しました。既存の定跡にとらわれない独創的な発想と創造性で知られ、現在も将棋界では優れた新手・新戦法を指した棋士に「升田幸三賞」が贈られています。

中原誠(十六世名人)

大山時代の後を継ぎ、1970〜80年代の将棋界の頂点に立った棋士。名人位を通算15期保持し、自然で読みやすい棋風から「自然流」と呼ばれました。

谷川浩司(十七世名人)

1983年、21歳で名人位を獲得し、当時の史上最年少名人記録を樹立(この記録は2023年に藤井聡太に更新されるまで最年少記録として長く残りました)。終盤の速さから「光速の寄せ」と称される、切れ味鋭い寄せを得意としました。

羽生善治(十九世名人)

1996年、当時存在した7つのタイトルすべてを同時に保持する「七冠独占」を史上初めて達成。生涯で獲得したタイトルは通算99期で、歴代最多記録です。将棋界のすべての永世称号(永世七冠)の資格を持つ、唯一の棋士でもあります。

米長邦雄(永世棋聖)

通算タイトル獲得は歴代5位となる19期。1984年度には棋聖・王将・棋王・十段の四冠を同時に保持し、「世界一将棋の強い男」とも呼ばれました。1993年には49歳11か月という史上最年長で名人位を奪取し、当時の最年長名人記録を樹立。2005年から死去する2012年まで日本将棋連盟会長を務め、在任中の2012年にはコンピュータ将棋ソフト「ボンクラーズ」と対局して敗れています。

加藤一二三

1954年8月、14歳7ヶ月で史上初の中学生棋士としてプロ入りし、史上最年少記録を樹立しました(この記録は2016年に藤井聡太が更新するまで62年間保持されました)。2017年6月、77歳5ヶ月という現役最高齢で引退するまでの62年10ヶ月の現役期間、通算対局数2505局、通算敗戦数1180敗はいずれも歴代1位の記録です。タイトル獲得は名人1期・十段3期・王位1期・棋王2期・王将1期の通算8期。愛称「ひふみん」で親しまれ、2026年1月に86歳で死去しました。

藤井聡太

2016年、史上最年少(14歳2ヶ月)でプロ入り。2023年10月11日、王座を奪取し21歳2ヶ月で史上初となる将棋8タイトル(八冠)独占を達成しました。2026年8月現在も竜王・名人・王位・棋王・王将・棋聖の6冠を保持し、将棋界の頂点に立ち続けています。

各タイトルの創設年や現在の保持者は「将棋の8大タイトル一覧」でまとめています。
先人たちの棋譜や考え方に興味を持った方は、ルール・戦法解説で実際の指し方を学んでみましょう。
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