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矢倉崩しの手筋を覚えよう

矢倉の基本を覚えようや囲いの基本を覚えよう(矢倉)で矢倉の特徴や組み方をすでに知っている方向けに、この記事では逆の視点、つまり「相手が組んだ矢倉をどう攻め崩すか」という実戦的なテーマを扱います。「持ち駒」など聞き慣れない言葉が出てきたら将棋用語集もあわせてご覧ください。

矢倉崩しとは

「矢倉崩し」とは、相手が組んだ矢倉囲いを攻め崩すための一連の手筋・考え方をまとめて指す言葉です。矢倉は王を8八、金を7八と6七、銀を7七に配置する、横からの攻めに強いバランスの良い囲いとして知られていますが、どんな囲いにも構造上の弱点はあります。矢倉を崩す手筋は長い研究の歴史を持つ矢倉戦の中で数多く積み重ねられてきており、実戦での出番も多いテーマです。

矢倉囲いの急所

矢倉を崩すには、まずその構造上どこが弱いのかを知っておくことが近道です。矢倉は横からの攻めには強い一方、特によく知られているのが「玉頭」と「7七の地点」という2つの急所です。

  • 玉頭(王の真上・斜め上あたり):矢倉は左右からの攻めに対しては金銀が連携してしっかり支えられる形をしていますが、真上からの攻めには弱いとされています。「矢倉は玉頭から攻めよ」という格言があるほど、玉頭は矢倉における最大の急所として知られており、歩や角の利きを玉頭に集中させることで、玉のすぐそばに直接迫ることができます。
  • 銀が進出したあとの7七の地点:矢倉の銀(7七)は、囲いが完成したあとに攻めの駒として前線へ進出することが多くあります。銀が持ち場を離れると、元いた7七の地点が手薄になり、玉のカバーがそのぶん薄れることがあると言われています。攻めに転じるタイミングと守りの薄さは表裏一体であるため、矢倉戦では自陣と敵陣の両方でこの点が意識されることが多いテーマです。

代表的な矢倉崩しの手筋

上の2つの急所を踏まえて、実戦でよく使われる矢倉崩しの手筋を紹介します。

玉頭を攻める

矢倉最大の急所である玉頭に狙いを定める、もっともオーソドックスな攻め方です。玉頭の歩を交換して飛車や角の利きを通したり、桂馬を跳ねて玉頭に直接ヒモをつけたりすることで、矢倉が苦手とする真上からのプレッシャーをかけていきます。「矢倉は玉頭から攻めよ」という格言が示す通り、矢倉を崩すうえでまず意識したいのがこの玉頭の攻防です。

手薄になった7七の地点を狙う

矢倉の銀が攻めに使われて7七を離れたタイミングを見計らい、その空いた地点に角や桂馬で利きを作る攻め方です。守りの銀が前線に出ている間は玉のカバーが薄くなりやすいため、このタイミングを逃さず攻め駒を集中させることが、この手筋の基本的な考え方です。

たたき・焦点の歩で連結を断つ

矢倉の堅さは、金・銀が互いに支え合う連結の良さによって生まれています。この連結をあえて崩すのがたたきの歩や焦点の歩といった捨て駒の手筋です。金や銀に取らせることで守り駒を本来の位置から引き離し、玉のまわりの連携を薄くすることができます。玉頭に対してこの手筋を使うと、急所を直接突く攻めにつながりやすいとされています。

ここで紹介した手筋は、いずれも多くの実戦から見出された一般的な考え方であり、有効かどうかは局面ごとの持ち駒や陣形によって大きく変わります。実戦での使いどころは、詰将棋や実戦経験を積みながら少しずつ身につけていくとよいでしょう。

矢倉崩しから必至・寄せへ

矢倉崩しの手筋を単発で決めるだけでは、必ずしも勝ちに直結するわけではありません。玉頭・7七の地点・連結といった弱点を組み合わせて玉の逃げ場を狭めていき、最終的に必至(必死)や寄せの形に持ち込むことが、矢倉崩しの最終的な目標になります。玉の逃げ場を数え、一つずつ塞いでいくという寄せの基本的な考え方は、矢倉を崩すときにもそのまま活きてきます。

矢倉そのものの特徴や組み方は矢倉の基本を覚えよう、囲い全般の考え方については囲いの基本を覚えようで解説しています。美濃囲いを崩す考え方については美濃崩しの手筋を覚えよう、穴熊を崩す考え方については穴熊崩しの手筋を覚えようもあわせてご覧ください。
矢倉崩しの感覚を養うには、詰将棋パズルで玉を詰ませる読みを鍛えることもおすすめです。
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