棋譜並べのやり方(勉強法)を覚えよう
棋譜の読み方(記譜法)が分かるようになると、本や解説記事に載っている実戦の指し手を、盤に並べながら追いかけられるようになります。この「プロ棋士の対局を盤に並べて追体験する」勉強法が「棋譜並べ」です。定跡や手筋を覚えても実戦でうまく活かせないと感じている人にとって、次のステップとしてよく勧められる勉強法の一つです。この記事では、棋譜並べとは何か、なぜ効果があると言われているか、具体的な始め方をわかりやすく解説します。
棋譜並べとは
棋譜並べとは、プロ棋士同士の実際の対局(棋譜)を、最初の一手から順番に自分の将棋盤に並べていく勉強法です。詰将棋や次の一手クイズのように「正解を考えて答える」練習とは異なり、棋譜並べでは基本的に指し手はすでに分かっている状態で、その手順を盤上で再現しながら追いかけていきます。読むだけでなく実際に駒を動かすことで、指し手の流れや局面の変化をより実感として捉えやすくなると言われています。
まずは代表的な進行を実際に並べてみましょう。以下は「四間飛車」という広く知られた戦法の序盤14手を示す例です。特定のプロ棋士の実際の対局ではなく、四間飛車の基本的な駒組みの流れを示すために作成した例示的な手順である点にご注意ください。「次の手」「前の手」「最初から」のボタンで、実際に1手ずつ指し手を進めたり戻したりしながら、盤面がどう変化していくかを確認できます。
四間飛車の序盤(例示手順)
なぜ効果があると言われているか
棋譜並べには、主に次のような効果が期待できると言われています。ただし、これらはあくまで一般的に言われている考え方であり、効果の感じ方には個人差があります。
- 実戦的な駒運びのパターンが自然に身につく:本や記事で個別に紹介される手筋が、実際の対局の中でどんな場面・タイミングで使われるのかを、一連の流れとして体感できると言われています。
- 定跡の背景にある考え方が理解しやすくなる:定跡書の手順を暗記するだけでなく、その手順がなぜ選ばれているのかを、プロの実戦例を通して感じ取りやすくなるとされています。
- 大局観が養われる:一手一手の損得だけでなく、駒組みの方針や玉の安全度など、局面全体を見る感覚が少しずつ養われていくと言われています。
やり方の基本
棋譜並べを始めるときは、次のような進め方が一般的によく勧められています。
- 自分の得意戦法・指したい戦法の棋譜から始める:四間飛車や矢倉など、自分が普段指している戦法や、これから指したいと思っている戦法の対局を選ぶと、内容が身近に感じられ、駒組みの流れも頭に入りやすくなります。
- 深く読み込もうとせず、まずは手を進めることを優先する:1手ごとに「なぜこの手なのか」を厳密に読み切ろうとすると、途中で疲れてしまい長続きしません。最初のうちは、意味が分からない手があっても立ち止まりすぎず、とにかく手を進めて最後まで並べきることを優先するとよいと言われています。
- 途中で終わらせず、一局を通して並べる:序盤だけ、中盤だけといった部分的な並べ方では、一局を通した流れがつかみにくくなります。時間がかかっても、できるだけ最初の一手から投了(または千日手・持将棋)までを一局分並べきるのがおすすめです。
- 感想戦や解説が付いている棋譜から始める:指し手だけが並んだ棋譜よりも、要所要所に解説や感想戦のコメントが付いている棋譜のほうが、「なぜその手が選ばれたか」を理解しながら並べやすく、初めのうちは特におすすめです。
棋譜の入手方法
プロの対局の棋譜は、いくつかの方法で入手できます。
- 日本将棋連盟の公式棋戦中継:日本将棋連盟の公式サイトや提携するインターネット中継サービスでは、タイトル戦をはじめとした公式戦の対局がリアルタイムで中継されており、対局後に棋譜を確認できることが多いです。
- 書籍の棋譜集・観戦記:将棋の本の中には、プロの対局を棋譜とともに振り返り、要所に解説を加えた棋譜集・観戦記があります。解説付きで棋譜並べの練習に取り組みやすいのが特徴です。
- 新聞・雑誌の観戦記:新聞や将棋雑誌の観戦記欄でも、代表的な対局の棋譜と解説が掲載されることがあります。
いずれの方法で入手する場合も、最初のうちは指し手だけでなく解説が付いている棋譜を選ぶと、内容を理解しながら並べやすくなります。
どんな人におすすめか
棋譜並べは、次のような人に特におすすめの勉強法だと言われています。
- 定跡は覚えたものの、実戦でどう活かせばよいか分からない人
- 詰将棋や三手詰めは解けるようになったが、実戦全体の流れがつかめない人
- 手筋や格言は知っているが、それが実戦のどんな場面で使われるのかイメージしづらい人
- 本を読むだけの勉強に飽きてきて、盤と駒を使った実感のある勉強がしたい人
逆に、まだ駒の動かし方や基本ルールを覚えている途中の段階では、棋譜並べよりも基本ルールの理解や、実際に対局してみることを優先するほうがよいでしょう。
解説付きの棋譜集を探してみよう
要所に解説が付いた棋譜集・観戦記は、指し手の意味を理解しながら棋譜並べの練習に取り組みやすいのでおすすめです。自分の好きな戦法や棋士の棋譜集から探してみましょう。
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