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飛車の手筋を覚えよう

基本手筋を覚えようの「王手飛車取り」、将棋用語集の「十字飛車」、将棋の格言を覚えようの「竜の頭には金を打て」「飛車先の歩交換は一歩の得」では、飛車に関わる代表的な手筋・格言をすでに紹介しました。この記事ではその内容とは重複しないよう、飛車という駒そのものが持つ移動範囲の特徴に注目し、飛車をどう使うかという考え方を深掘りして解説します。

王手飛車取り・十字飛車・竜の頭には金を打てのおさらい

飛車に関わる基本的な内容は、すでに次の記事で解説済みです。ここでは重複を避けるため、まだ扱っていない考え方を中心に紹介します。

飛車の利きを使った串刺し(両取り)

角の記事で紹介した「田楽刺し」は、角の斜めの利きを使って同じ対角線上に並んだ2枚の駒を串刺しにする手筋でした。飛車は斜めにはまったく利きませんが、縦・横方向であればどこまでも進めるという、田楽刺しと同じ発想を応用できる長い利きを持っています。相手の駒2枚が同じ筋(縦の列)または同じ段(横の列)に並んでいるとき、その筋・段に飛車の利きを合わせることで、田楽刺しと同様に2枚の駒を同時ににらむことができると言われています。なお、これは飛車の縦の利きと横の利きを別々の方向に同時に向ける「十字飛車」とは異なり、1方向の利きだけで2枚の駒を串刺しにする、より単純な形です。

下の例では、後手の桂馬と香車が2筋の2四・2三という同じ筋上に並んでいます。先手の飛車が初期配置のままの2八にあると、この筋を通して手前の2四の桂馬にまず利きが届きます。仮にこの桂馬が盤上からいなくなれば、飛車の利きはそのまま奥の2三の香車にも届くことになります。このように、1枚の飛車が同じ筋上に並んだ2枚の駒をまとめてにらんでいる状態が、飛車を使った串刺しです。

0手目 / 全1手後手の桂馬・香車が2四・2三に並んだ局面

浮き飛車と下段飛車の使い分け

飛車を自陣の最下段(一段目や二段目)に据えたまま縦の利きを活かす使い方を「下段飛車」、盤の2〜3段目あたりまで一段進出させて構える使い方を「浮き飛車」と呼ぶことがあります。下段飛車は自陣の最も奥にとどまるため、相手の駒にぶつけられたり両取りを狙われたりする危険が少なく、縦の利きだけで敵陣を狙い続けられる安定感が特徴だと言われています。

一方、浮き飛車は飛車を一段前に進めることで、縦の利きに加えて横方向への転換もしやすくなります。相手の陣形の変化に応じて筋を変えたり、相手の攻めに合わせて横に逃げたりといった柔軟な対応がしやすくなる分、下段飛車に比べると相手の駒に近づく分だけ狙われる危険も増える、という考え方に基づいていると言われています。局面や戦型に応じて、安定を優先して下段飛車のままにするか、柔軟性を優先して浮き飛車に構えるかを使い分けることが実戦では大切だとされています。

飛車を使う際の注意点

飛車は縦・横4方向にはどこまでも利きが届く一方、角と違って斜め方向にはまったく利きがありません。将棋の大駒でありながら、隣のマスであっても斜めには直接利きが届かない、という点は飛車特有の弱点だと言われています。

なお、飛車が成って竜(竜王)になると、この縦横の利きに加えて斜め4方向へ1マスだけ動けるようになる、というのは広く知られている一般的なルールです。成る前の飛車の段階では斜めにまったく利かないというこの弱点を踏まえたうえで、竜になったときにどう活かすかをあわせて意識しておくことも実戦では大切だと言われています。

飛車を主役とする代表的な戦型

飛車をどの筋に構えるか、どう活用するかを軸にした戦型も数多くあります。代表的なものとして、次の記事もあわせてご覧ください。

ここで紹介した局面は、それぞれの考え方を分かりやすく示すための簡略化した例であり、実戦の対局そのものではありません。
手筋の名前や読み方に不安がある方は、将棋用語集もあわせてご覧ください。
飛車の使い方を実戦で試す感覚をつかむには、詰将棋パズルで終盤の読みを鍛えることもおすすめです。
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飛車の手筋をもっと詳しく学びたい方へ

飛車は縦横に長く利く分だけ、置き場所や使いどころの判断が難しい駒です。手筋を集めた問題集で繰り返し練習すると、実戦で自然に活かせるようになります。

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