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奇襲戦法への対処法を覚えよう

受けの基本手筋を覚えようや駒の価値と序盤の考え方で紹介した考え方は、矢倉や四間飛車のような正統な戦法だけでなく、対局でときどき出会う変則的な仕掛け(俗に「奇襲戦法」と呼ばれることがあります)に対しても役立ちます。この記事では、初心者同士の対局で実際によく見られる「鬼殺し」「原始棒銀」「端角速攻」という3つの仕掛けを取り上げ、それぞれどんな特徴があるか、どう受け止めればよいかを解説します。

奇襲戦法とは

「奇襲戦法」という呼び方に厳密な定義があるわけではありませんが、一般には、玉の囲いなど守りを整えるよりも先に、序盤の早い段階から一直線に攻めかかっていくタイプの仕掛けを指してこう呼ばれることが多いです。正しく受け止められれば攻めが続かなくなり、逆に攻めた側の玉が薄いまま終盤を迎えてしまうことも多いと言われていますが、仕組みを知らずに対局すると不意を突かれて受け間違えてしまい、そのまま押し切られてしまうことも少なくありません。

鬼殺し(おにごろし)への対処

「鬼殺し」は、居飛車側が桂馬や銀を早い段階で前線に進め、玉の囲いを整えるよりも先に攻めの形を作っていく急戦的な仕掛けの一つとして知られています。通常の駒組みの手順を大きく省略して攻めの速度を優先する点が特徴だと言われていますが、どの駒をどの順番で動かすかという具体的な手順は局面によって変化が多いため、この記事では深入りしません。

受ける側として意識したいのは、まず慌てず、攻められている筋・段に自分の駒が足りているかどうかを丁寧に数えることです。囲いを組む余裕がなくなったからといって闇雲に受けの駒を投入するのではなく、駒の価値を踏まえて、歩のような軽い駒でまず受けられないかを検討しましょう。また、鬼殺しのような急戦は、攻め駒を前線に集める代わりに、攻めた側自身の玉の囲いが手薄になっていることが多いとされています。攻めをいったん受け止めることができれば、その後は寄せの基本を覚えようで紹介した考え方で、手薄になった相手玉を逆に攻める番が回ってくることも珍しくありません。

原始棒銀への対処

棒銀の基本を覚えようで紹介した棒銀は、囲いや駒組みをある程度整えたうえで銀を進める指し方が一般的ですが、「原始棒銀」は、そうした準備をほとんど省略して、序盤のごく早い段階から銀を進めてしまう、より簡略化された形を指す呼び方です。特に振り飛車を相手にしたとき、囲いの完成を急ぐあまり攻められている筋への備えが手薄になりやすい点を突く仕掛けだと言われています。

原始棒銀に対しては、攻められている筋の急所を、銀や金でできるだけ早く補強しておくことが基本的な対処になります。振り飛車側であれば、美濃囲いの基本を覚えようで紹介した囲いを急いで完成させることも、攻めを受け止めるための備えの一つです。原始棒銀は駒組みの手数を省略して攻めてくる分、攻めが一段落したあとは通常の棒銀よりも自陣の形が乱れやすいとも言われており、受け止めたあとの構想を焦らず組み立てることが大切です。

端角速攻への対処

「端角(はしかく)」は、角を盤の中央寄りではなく、1筋・9筋に近い端寄りの位置に構えて、通常あまり意識されない斜めのラインから不意を突く仕掛けの総称です。序盤は中央の駒組みに注意が向きやすいため、端に控えた角の利きを見落としてしまうと、思わぬ位置で駒を取られたり、王手を受けたりすることがあります。

端角のような仕掛けに対する最も基本的な対処は、相手の角がどのマスにいても、その角が通っている斜めのライン上に自分の駒を無防備に置かないよう意識することです。駒を動かす前に、盤面全体を見渡して、相手の角(や飛車・香車のような遠くから利く駒)の利きがどこまで届いているかを確認する習慣をつけておくと、端角に限らず多くの不意打ちを未然に防げます。

奇襲戦法全般に共通する考え方

鬼殺し・原始棒銀・端角速攻に共通しているのは、いずれも玉の安全よりも攻めの速度を優先した仕掛けだという点です。受けの基本手筋を覚えようで紹介した合い駒や「壁を作らない」といった基本的な受けの考え方を守りながら、慌てずに一手ずつ対応していけば、必要以上に恐れる仕掛けではありません。むしろ受け止めたあとは、攻めに手数をかけた分だけ手薄になった相手陣を、こちらから攻める番が回ってくることも多いと言われています。

ここで紹介した内容は、それぞれの仕掛けの一般的な特徴と受け方の考え方を紹介するものであり、具体的な指し手をすべて示すものではありません。実戦では局面によって最善の対応が変わる点に注意してください。
受けに慣れてきたら、詰将棋パズルで、相手玉を詰ませる側の読みの力も鍛えてみましょう。
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